特集激震の保険業界

3大損害保険会社の海外M&A戦略の変遷と今後の課題

相次ぐ買収と再編で主軸に成長した海外事業に死角はあるか

みずほ証券 エクイティ調査部 保険セクター /坂巻 成彦

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大手金融機関が海外事業を強化する中で、損害保険会社も利益成長とリスク分散の手段として海外事業の拡大に力を入れてきた。大手3グループの間で規模感には差があるものの、収益の半分を海外事業が占めるまでに成長を遂げている。各社は利益成長の柱として今後も海外事業の拡大に注力する方針だが、それと同時に経営目標に照らした事業の選別・撤退や海外人材の活用など、買収による事業規模拡大にとどまらない展開を見せている。本稿では、損害保険会社の海外事業展開を振り返り、成果を確認するとともに今後の展望と課題に触れたい。

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さかまき なるひこ
一橋大学経済学部卒。14年に野村証券に入社後、一貫して金融業界の調査に従事し、18年から保険業界を担当。23年から現職。