特集激震の保険業界

自然災害多発時代に求められる損保業界のリスク管理の在り方

民間システムのみでの対処は困難、今こそ官民連携を強化せよ

慶應義塾大学 商学部 教授 /堀田 一吉

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世界中で大規模自然災害が多発するなか、世界各国の保険業にも多大な影響が及んでいる。日本でも、近年水害の影響が増加していることから、2024年度から損害保険に新たに「地域別料率」が導入される予定だ。日本の損害保険業界は、これまで自己資本を増強したり、保険技術を発展させたりして大規模災害に備えてきた。今後さらなる自然災害リスクに備えるためには、再保険への依存度を高めることも重要になろう。自然災害に対する保険プロテクションを高める上で、官民の役割分担を明確にする必要もある。

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ほった かずよし
慶應義塾大学経済学部卒、同大学大学院商学研究科博士課程、商学部助手、同助教授を経て、02年から現職。専門は保険学、保険政策論、リスクマネジメント論。主な著書に『保険理論と保険政策』(東洋経済新報社、03年)、『現代リスクと保険理論』(東洋経済新報社、14年)、『保険学講義』(慶應義塾大学出版会、21年)、『デジタル化時代の自動車保険』(共編著、慶應義塾大学出版会、22年)等。