解説

事実上の「社会保険料引き上げ」で実現する異次元の少子化対策

男性の育休取得促進では出生率上昇も、児童手当の拡充では期待薄

大和総研 金融調査部 主任研究員 /是枝 俊悟

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政府は6月13日、「こども未来戦略方針」(以下、戦略方針)を閣議決定し、岸田文雄首相が掲げた「次元の異なる少子化対策」の具体的メニューを示した。このうち、男性の育休取得推進は、女性の就業継続率の向上を経由して出生率の上昇が期待できる。一方で、児童手当は、出生率上昇よりも「公平感」や「子の福祉」の観点が重視されている。焦点となる3兆円超の財源を巡っては、国民の「実質的な追加負担」が否定されているものの、事実上の「社会保険料引き上げ」で賄われるものといえそうだ。

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これえだ しゅんご
08年早稲田大学政治経済学部卒、大和総研入社。15~16年金融庁総務企画局総務課国際室へ出向。16年大和総研に帰任、20年から現職。著書に『35歳から創る自分の年金』(日本経済新聞出版社、20年)など。