特集「望ましい企業買収」の確立へ

「透明性」の観点で課題が多い日本のM&Aの現状

「対応方針」や大量保有報告制度等が適切に機能する法的整備が不可欠

西村あさひ法律事務所 弁護士 /田端 公美

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何が「望ましい買収」かは、欧米諸国でもステークホルダーの利害を踏まえさまざまな法制的対応や試行錯誤が繰り返されている難問である。経済産業省「企業買収における行動指針」は、透明性の原則を含む三原則を提示した。非財務価値が企業価値に占める比率が高まりサステナビリティー対応も求められるなか、欧州型買収制度を採用していない日本では、「対応方針」(いわゆる買収防衛策)の利活用を含め、透明性確保のインフラの重要性が高まっている。

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たばた くみ
西村あさひ法律事務所パートナー。07年弁護士登録。04年京都大学法学部卒、06年京都大学法法科大学院修了。09~12年経済産業省経済産業政策局産業組織課に出向し、欧州のM&A制度調査に従事。15年ペンシルベニア大学ロースクール修了(LL.M)。17年ニューヨーク州弁護士登録。国内外のM&A・組織再編、コーポレートガバナンスを中心とした企業法務全般を専門とする。