日本銀行 調査統計局長 /大谷 聡
わが国ではこのところ、賃金・物価のはっきりとした上昇が起きている。こうした「非線形的な変化」を伝統的な手法や過去の長期データだけを用いて分析することには限界がある。そのため日本銀行では、①非線形性を解明する分析、②新たな統計の作成、③オルタナティブデータの活用、④ミクロ情報の一層の活用──を行っている。本稿では、日銀の具体的な取り組みを紹介する。
おおたに あきら
91年早稲田大学政治経済学部卒、同年日本銀行入行。国際局総務課長、高知支店長、金融市場局審議役兼国際局審議役、金融機構局審議役、金融市場局長等を経て、22年5月から現職。
掲載号 /週刊金融財政事情 2023年8月8日号