特集広がる賃上げ〜慢性デフレ脱却の足音

賃上げを機に、日系企業も競争力ある賃金水準の設定を

優秀人材を引きつける賃金制度の導入が不可欠に

マーサージャパン 組織・人事変革コンサルティング部門 関西地域統括 /篠本 祐介

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今春闘の賃上げを一過性のブームに終わらせず継続的な動きにしていくには、日本企業の競争力向上につながる人材のリスキリングや自身によるキャリア形成が必須となる。企業も従業員にこれらを促すべく、ジョブ型人事制度や社内公募制度などさまざまな仕組みを採用しているが、その運用は道半ばだ。加えて、「生涯賃金」ではなく、「仕事の対価としての賃金設定」を提示することも極めて重要である。従来の「内部公平性を重視する賃金体系」から、仕事の重要性・難易度等を踏まえた「市場価値に基づく賃金制度」へ改革することで、企業の競争力は高まっていく。

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ささもと ゆうすけ
大和証券グループ本社、KPMGコンサルティングを経て現職。日系・外資系企業の幅広い業界に対して人事制度改革(等級・評価・賃金)などのコンサルティングを手掛ける。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。