特集広がる賃上げ〜慢性デフレ脱却の足音

持続的な物価上昇のカギとなる中小企業の賃上げは来年がヤマ場

不十分な価格転嫁とゼロゼロ融資の返済本格化が賃上げの障害に

ソニーフィナンシャルグループ 金融市場調査部 シニアエコノミスト /宮嶋 貴之

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賃金上昇を起点とした持続的な物価上昇の実現には、中小企業の賃金底上げが肝要だ。しかし、各種統計調査やアンケート調査を総じて見れば、中小企業の賃金上昇率は大企業よりも小幅にとどまるとみられる。今年はコロナ禍からの経済活動再開がさらに進むと期待され、輸入インフレ圧力が低下すれば中小企業にとって業績改善の一因となる。こうした状況となれば、2024年に中小企業の賃金上昇率が高まる可能性があろう。

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みやじま たかゆき
09年みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。エコノミストとしてアジア・日本経済、不動産・五輪・観光等を担当。11~13年内閣府(経済財政分析担当)に出向し、『経済財政白書』『月例経済報告』等を担当。21年から現職。