特集徹底検証! 植田日銀の金融政策

新体制下の金融政策は「3段階」で修正が進む

中立な立場で政策効果を検証し、整合性を保った見直しを

バークレイズ証券 調査部長 チーフ・エコノミスト /山川 哲史

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日本銀行執行部人事を契機に、市場では10年間にわたって継続した異次元緩和に終止符が打たれ、金融政策がしばらく正常化へ向かうとの期待が高まっている。日銀は政策修正に当たり、「長短金利操作」(イールドカーブ・コントロール=YCC)の修正・解除、「マイナス金利」の撤廃、および「利上げ」の順で正常化を段階的に進める可能性が高い。金融緩和の基軸は、YCCに代わり「ゼロ金利政策」とこれを一定期間維持することを確約する「フォワードガイダンス」の組み合わせとなるだろう。ただし、この間、海外の主要中銀による金融政策運営次第で、日銀の政策修正に対する「機会の窓」も大きく影響を受ける点には留意が必要だ。

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やまかわ てつふみ
79年一橋大学経済学部卒、日本銀行入行。研究・国際関連部署を中心に在籍。92年米ブラウン大学経済学博士号(国際金融論)取得。94年ゴールドマン・サックス証券。10年バークレイズ証券に調査部長として入社。日本経済、円債・外債、為替のリサーチ部門を率いる。