特集今度こそ変わる! 経営者保証

コベナンツの活用による経営者保証の代替可能性

事業成長担保権と同じく金融機関によるモニタリングが重要

一橋大学経済研究所 教授 /植杉 威一郎

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経営者保証が事業承継や起業意欲を阻害するという懸念は、その経営への規律付けという効果と裏表の関係だ。経営への規律付けは、コベナンツの活用によっても達成できるが、コベナンツにはそれが守られているかを調べるモニタリングが必要であり、費用がかかる。モニタリングの費用を賄えるような企業との取引関係が必要である点は、「事業成長担保権」が機能するための条件と同じである。

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うえすぎ いいちろう
93年東京大学経済学部卒、通商産業省(現経済産業省)入省。00年カリフォルニア大学サンディエゴ校経済学博士課程修了Ph. D.(Economics)、中小企業庁などを経て11年一橋大学経済研究所准教授、15年から現職。経済産業研究所ファカルティフェロー。近著に『中小企業金融の経済学』(22年、日本経済新聞出版、日経・経済図書文化賞受賞)。