解説

店頭デリバティブ市場改革の10年と新たなエコシステム

改革の実効性が試されたコロナ禍で十分な成果

オストラ・ジャパン 代表 /西村 健

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10年前の2011年7月、日本証券クリアリング機構(JSCC)がクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の清算業務を開始した。以来、09年9月のG20ピッツバーグ・サミットにて国際的に合意された店頭デリバティブ市場改革が、わが国でも具体的な取り組みとして始まった。ピッツバーグおよび11年11月のG20カンヌ・サミットで合意された規制の導入は、22年9月のIM規制フェーズ6の導入で一通り完了となる。また、これらの規制導入は、わが国の店頭デリバティブ市場における新たなエコシステムをかたちづくってきた。本稿では、この10年間の市場改革を振り返り、規制導入とともに構築されたエコシステムとその今後について考えてみたい。なお、本稿の見解・意見は筆者個人のものであり、筆者の所属する組織の見解を示すものではない。

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にしむら けん
88年東京大学理学部数学科卒、93年MITスローンスクール経営学修士課程修了。野村証券にてデリバティブ商品のストラクチャリング、トレーディング等に従事。その後、トライオプティマ、金融庁、IHSマークイット等を経て、21年9月のオストラ設立から現職。