解説

犯罪・脱税防止の観点から急務となる暗号資産の規制整備

世界に広がる暗号資産由来の脅威を日本も国際協調の下で防止せよ

中部大学 経営情報学部 教授 /酒井 吉廣

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世界の通貨当局が暗号資産(仮想通貨)の管理を強化している。米国では、議会を中心に犯罪に悪用されるリスク等を極小化する適切な規制の導入を前提として、暗号資産を認める方向になりつつある。一方、中国は暗号資産を禁止した。欧州では暗号資産への対応がまちまちだが、これは分散型金融に対する一国での規制や犯罪防止の難しさに対する温度差によるところが大きい。この間、日本では暗号資産を作り出すような人材の多くが海外流出しているが、投資家は国内に多数存在している。国際協調の下の投資家保護に加えて、犯罪・脱税防止の観点から必要な規制を行う必要がある。

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さかい よしひろ
85年日本銀行入行。信用機構室人事担当調査役、米国野村証券CSO、日本政策投資銀行シニアエコノミスト等を経て現職。日銀で不良債権処理と共に安保対策に関与の後、米連銀等でAML/CFT対策に従事。著書に『CMBS(商業用モーゲージ証券)』(監訳、きんざい)等。ニューヨーク大学MBA、ボストン大学犯罪学修士。