野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英
投稿日2021.06.25. /週刊金融財政事情 2021年6月29日号
日本の資金決済システムは、①全銀システムにおける銀行間手数料の引き下げ、②多頻度小口決済を想定した新資金決済システムの構築、③キャッシュレス決済事業者などによる全銀システムへの参加──という三つの変革に直面している。長らく銀行の独壇場であった決済システムは、フィンテック企業など決済業者の参入を認める方向へと大きくかじが切られることとなる。本稿では、三つの変革のうち②と③について考察し、日本の資金決済システムの未来図を考えてみたい。
きうち たかひで
早稲田大学政治経済学部卒業。87年野村総合研究所入社。90年同研究所ドイツ、96年同研究所米国にそれぞれ勤務。07年野村証券金融経済研究所、経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年日本銀行の政策委員会審議委員に就任し、金融政策その他の業務を5年間担った。17年7月から現職。最新著書に『決定版 リブラ』。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年6月29日号