経済評論家 /加谷 珪一
菅義偉政権の発足以降、国内でも脱炭素に関する議論が活発になってきた。だが、諸外国と比較すると日本の対応は遅れている。脱炭素は国家覇権を懸けた争いでもあり、国境炭素税の議論も進む。投資戦略として日本が排出権取引市場を創設する意義は大きく、特に金融機関にとっては極めて大きなビジネスチャンスである。国際的な脱炭素化の枠組みにどれだけ早く対応できるのかによってわが国の将来が決まるといっても過言ではない。
かや けいいち
東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村証券グループの投資会社を経て独立し、中央省庁や金融機関に対するコンサルティング業務に従事。著書に『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)など。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年4月27日号