解説

70年代「金融効率化行政」の教訓と銀行経営の選択肢

再編や規制緩和をフル活用し、次の収益の柱を急ぎ育てよ

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主席研究員 /廉 了

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1970年代後半、将来的な成長率低下や資金需要減退に備えるため、金融機関の再編を促す「金融効率化行政」が実行されたが、不芳に終わった。その結果、低収益性が温存され、オーバーバンキングによる過当競争がバブル期の不動産融資傾斜とその後の不良債権問題、そして現在に至る利ザヤの縮小の一因となった可能性がある。現在、金融機関の経営基盤の弱体化が進むなか、コロナ禍で苦境に陥る企業が続出している。金融業界以外の産業界も巻き込んだ大掛かりな制度改革を検討する時期に来ているかもしれない。

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かど さとる
89年東京大学経済学部卒、同年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。企画部、経済調査室等を経て、15年6月から現職。専門は内外金融制度・金融機関経営。15年金融審議会「決済業務等の高度化に関するWG」委員を歴任。