解説

提言 金融庁は「地域金融機関の非常事態宣言」を出すべし

菅政権が地銀再編を進める真の理由

慶應義塾大学 名誉教授 /竹中 平蔵

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金融機関は、超低金利環境とフィンテックの台頭で構造的な問題を抱える業種になった。菅政権が地銀再編を進めるのは、地域経済に大事な役割を担う地域金融機関の経営基盤を強化するためであり、金融庁は「地域金融機関の緊急事態宣言」を発令すべき段階に来ているのではないか。ただ、政治テーマとしての地銀再編は1年で成果が出るものではない。地域金融機関の経営基盤強化策としては、統合だけでなく、異業種連携なども選択肢であり、従来の発想にとらわれない将来のビジネスモデルを示すことが重要だ。

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たけなか へいぞう
一橋大学卒、博士(経済学)。ハーバード大学客員准教授などを経て01年小泉内閣の経済財政政策担当大臣。参議院議員、金融担当大臣、総務大臣、郵政民営化担当大臣等を歴任。現在、東洋大学教授、慶應義塾大学名誉教授。