解説

独自指標で浮かび上がる地銀の「顧客支援力」と業績の関係

銀行・企業の「共衰」を脱し、収益強化を図りつつ「共栄」へ

京都大学 研究員 /吉原 清嗣

近畿大学 准教授 /中岡 孝剛

京都女子大学 非常勤講師 /庄司 豊

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私企業である銀行業は、「公益」と「私益」の追求という二つの志向性を有している。そのため、銀行の業績を評価する際には、この双方を考慮した評価指標を用いる必要がある。そこで本稿では、2008年から17年までの10年間の地銀と第二地銀99行(注1)のデータを用いて、顧客企業への貢献度を示す独自指標「i Bank Index」を導き、銀行の収益面のパフォーマンス指標との関係を定量的に分析する。

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よしはら きよつぐ
地域金融機関に30年勤務の後、12年3月立命館大学経営学博士、18年3月京都大学経済学博士、同年4月から現職。

なかおか たかよし
11年3月神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。SMBC日興証券産業調査部を経て、12年4月から現職。

しょうじ ゆたか
18年3月京都大学大学院経営学研究科博士前期課程修了、同年4月から現職。