特集中銀デジタル通貨の羅針盤

現時点で発行する計画はないが、一段ギアを上げて検討を進める

〈インタビュー〉便利さと金融システム安定のバランスに配慮

日本銀行 副総裁 /雨宮 正佳

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日本銀行は主要国中銀による報告書と軌を一にし、中央銀行デジタル通貨に関する取組方針を示した。現時点で発行する計画はないが、来年度の早い時期に実証実験を開始する。将来的な現金流通コストの高まりが予測されることや、民間決済サービスの橋渡し役になる可能性があることが、検討を進める目的である。ユニバーサルアクセスと民業との共存という二つの要請をバランスよく満たしていくことが課題となろう。ほかにも、プライバシーの確保やクロスボーダー決済など、考慮すべき論点は多い。「デジタルなお金」の拡大は歴史の必然といえ、将来、金融や貨幣の在り方が大きく変わっていく可能性がある。

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あまみや まさよし
79年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。98年金融市場局金融市場課長、06年企画局長、10年日本銀行理事、18年から現職。