特集日本の金融・財政・社会の道標

次の10年でこそ受け入れられるデジタル金融

世界的な潮流や政府の姿勢に呼応して金融機関も利用者も変化

京都大学公共政策大学院 教授 /岩下 直行

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これまで「インターネットが金融に革命を起こす」といった類いの予言は、ことごとく外れてきた。しかし、次の10年では「山が動く」かもしれない。世界的なデジタル金融の拡大や政府の姿勢の変化を背景に伝統的金融機関も対応を進めており、保守的な個人顧客の世代交代も展望されるためだ。その場合の金融サービスの担い手は、現在の伝統的金融機関が進化した組織かもしれないし、まったく新しい新規参入企業かもしれない。

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いわした なおゆき
84年慶應義塾大学経済学部卒業、日本銀行入行。94年金融研究所に異動し、以後約15年間、金融分野における情報セキュリティー技術の研究に従事。同研究所・情報技術研究センター長、下関支店長を経て、11年日立製作所に出向。13年日本銀行決済機構局参事役、14年金融機構局審議役・金融高度化センター長、16年には新設されたフィンテックセンターの初代センター長に就任。17年に日本銀行を退職し、現職。同年金融庁参与を兼務。19年金融審議会委員を兼務。同年規制改革推進会議委員を兼務。