解説

インドネシア中銀による国債直接引き受けの真相

政治圧力に耐えて、「今回限り」の政策は出口に進めるか

ピクテ投信投資顧問 ストラテジスト /梅澤 利文

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インドネシア政府は、新型コロナウイルス対策のため2020年予算に約900兆ルピアを追加した。その捻出のため、インドネシア中銀は約400兆ルピア分を発行市場から国債を直接買い入れる措置を進めている。その背景には、もともと国債消化の海外依存度が高かったことがある。禁じ手とされるだけに、政府・中銀は今年限りの時限措置であることを強調し、また、引き受け状況など開示を進め市場の不安抑制に努めている。足元では市場の受け止めは冷静だが、出口戦略こそが問題であり、来年、政治圧力から引き受けを継続する事態が続けば、深刻な事態が待っていよう。

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うめざわ としふみ
88年東京理科大学卒、国内証券を経て、91年ステート・ストリート信託銀行入行、運用部にて企業年金運用を担当。95年よりパリバ投資顧問(現BNPパリバ・アセットマネジメント)にて債券運用等に従事。10年にピクテ投信投資顧問に入社、18年から投資戦略部ストラテジスト。運用歴通算15年超。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。