解説

独ワイヤーカード破綻で問われるイノベーションへの「目利き」

金融ビジネスの複雑化に対応した監督・監査が求められる

日本総合研究所 調査部 金融リサーチセンター 副主任研究員 /谷口 栄治

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欧州を代表するフィンテック企業であるワイヤーカードの経営破綻が国際的に注目されている。この問題は、フィンテック企業や異業種企業の存在感が増す金融ビジネスの将来を考える上で示唆に富む事例といえる。金融と非金融の境界が曖昧となり、金融ビジネスが複雑となる中で、当局は、より広い視点で金融ビジネスを捉え、各国間で連携しながら、イノベーションの促進と適切な監督・監査のバランスを追求していく必要がある。

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たにぐち えいじ
07年京都大学経済学部卒、三井住友銀行入行。10年7月経済産業省経済産業政策局調査課(出向)、12年7月三井住友銀行経営企画部金融調査室。20年4月から現職。専門は、金融機関の業務環境や金融システムに関する分析、内外金融機関の戦略動向に関する調査。