新型コロナウイルスの感染拡大により急速に悪化した企業の資金繰りは、政府支援や無利子・無担保融資によって改善が見られている。経済活動も回復傾向にあるが、コロナ前の姿を取り戻すには、もうしばらく時間がかかりそうだ。事業環境の不透明な状況が続くなか、後継者不在の企業などを中心に休廃業を検討する動きが増えるとみられており、2020年の休廃業や解散は5万件に上るとの推計もある。
こうした中でM&Aへの期待が高まっている。債務超過の企業や業績が悪化した企業であっても、M&Aによって事業を継続できる可能性もある。日本の雇用の7割を占める中小企業の休廃業は雇用問題に直結するだけに、その事業継続は喫緊の課題だ。コロナ禍での事業継続に向けて、M&Aをどう活用していくべきかを考える。
掲載号 /週刊金融財政事情 2020年9月28日号