解説

コロナ危機下の財政政策を巡るEUの地殻変動

規律を維持して「財政同盟」に進めるかの分水嶺

前国際金融情報センター ブラッセル事務所長(現日本銀行 国際局 企画役) /金子 寿太郎

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EUが加盟国の財政規律を見直している。透明性などを高めるためのルールの簡素化やグリーンディールの支援が主な論点である。コロナ危機により加盟国が大きな打撃を受けるなか、規律の恒常的な緩和を求める声も聞かれる。5月18日、独仏首脳がEU共同発行債を提案した。大規模な加盟国間の債務共通化が実現すれば、財政同盟につながる歴史的な一歩となる。

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かねこ じゅたろう
97年早稲田大学法学部卒、日本銀行入行。国際局、フランクフルト事務所、金融機構局等で勤務。金融庁にて国際証券市場決済調整官、海外展開推進調整官等を歴任。独ケルン大法学修士(LL.M.)、早稲田大学学術博士(国際関係学)。16年7月からJCIFに出向。20年7月から日本銀行国際局。