特集緊迫 ポストコロナの経済財政

古い常識から解かれた財政拡大でアベノミクスは2.0へ

企業貯蓄率が正常なマイナスに戻れば「デフレ完全脱却」を宣言できる

ソシエテ・ジェネラル証券 チーフエコノミスト /会田 卓司

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コロナショックで戦後最悪ともいわれる景気悪化に直面し、財政政策に関する古い常識を脱して、政府は危機克服に向けて大規模な財政出動へかじを切った。しかし、景気悪化懸念は強く、コロナショック克服後に再び景気回復とデフレ脱却への道を歩めるのか不透明な状況だ。しっかりとした景気回復の下で、デフレ脱却への道に戻るには何が必要なのか──。まずは経済政策総動員で、信用と設備投資のサイクルを上向かせる必要がある。そして、強力な財政拡大と金融緩和のポリシーミックスの継続により、アベノミクス1.0で欠落していたリフレサイクルの上振れを伴うアベノミクス2.0が稼働すれば、長年の課題であるデフレ脱却へつながる可能性がある。

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あいだ たくじ
98年スワースモア大学経済学部および数学部卒、00年ジョンズ・ホプキンズ大学経済学博士前期課程修了(経済学修士)。さまざまな金融機関でエコノミストとして幅広い経験と豊富な実績を積み、13年から現職。