解説

コロナ禍は金融システム不安を発現させるか

テールリスクが浮上するかは大口の借り手動向しだい

東洋大学 国際学部 教授 /野﨑 浩成

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リーマンショックや世界大恐慌と同等、あるいはそれ以上の世界経済への衝撃を予想する声もある新型コロナウイルス禍であるが、一方で金融システム崩壊への懸念を多くの人々が抱くには至っていない。わが国にとっての金融危機は、リーマンショックというよりは、平成金融不況時における金融危機の方がはるかに深刻の度合いが大きかったといえる。この経験を踏まえ、今回のパンデミックがもたらす金融システムへの脅威について分析を試みる。

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のざき ひろなり
86年慶應義塾大学経済学部卒、91年イェール大学大学院修了、博士(政策研究)。埼玉銀行、HSBC証券、シティグループ証券、京都文教大学などを経て18年から現職。日経アナリストランキング1位(銀行部門、11年連続1位)、15年金融審議会専門委員。『成長神話という煩悩からいかにして金融は解脱すべきか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。