解説

リブラ論議で騒然、今こそ世界中央銀行が必要だ

覇権放棄のトランプ・ドル、世界は新しい体制を求めている

フリージャーナリスト(元NHK国際経済担当解説委員、EU学会会員) /伴野 文夫

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世界はドル支配に替わる通貨体制を求めている。仮想通貨リブラに賛否の議論が沸騰するが、国民通貨のエリート集団G7は、グローバルなリブラに対応する能力に欠ける。トランプ大統領は自国優先のアメリカ・ファーストを叫び、覇権国家の放棄を宣言した。いよいよ、75年以上前に開催されたブレトンウッズの会議で、ドルによる世界支配に反対し世界中央銀行を提案したケインズ案を検討する時がきた。日本は、EUを誘い通貨外交を展開する絶好の機会を前にしている。

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ばんの ふみお
33年東京生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。59年に報道局放送記者としてNHK入社。68~73年にブリュッセルやパリ特派員。77~78年にNHK経済部で大蔵省財研を担当。81~83年にボン特派員。87年から国際経済担当解説委員。NHKスペシャル『日本の条件・マネー』三部作キャスター(81年)。95~01年に杏林大学社会科学部教授。主な著書に『ユーロは絶対に崩壊しない』(幻冬舎、16年)、『エマニュエル・マクロン』(幻冬舎、17年)など。