解説

米税制改革案、焦点の法人税減税が実現する可能性は乏しく

所得税減税は所得格差の是正につながるかも疑問

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル シニアエコノミスト /雨宮 愛知

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9月27日にトランプ大統領と共和党執行部が示した税制改革案を巡って、早くも共和党内から反対意見が出るなど、今後の混乱が予想される。焦点の法人税減税は、財政赤字を穴埋めする新たな税収源の確保が困難なため、恒久的な措置が実現する可能性は低い。所得税減税は富裕層に有利な内容になっていることから、大統領選でトランプ大統領を支持した中低所得層の支持をつなぎとめる意味でも、税制改革案の内容を修正する必要が生じるとみられる。最終的には、共和党は法人税減税を断念し、法人税減税に比べて政治的に合意が得やすい所得税減税を10年間の時限措置として成立させるのではと予想する。

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あめみや あいち
01年東京大学経済学部卒、野村総合研究所入社。08年早稲田大学大学院ファイナンス研究科首席修了。野村証券金融経済研究所などを経て、09年3月から現職。