規制緩和を受けて、地域金融機関が続々と人材紹介事業に参入している。19年4月に参入を果たした広島銀行は、人材紹介事業を本業たる課題解決支援の一環と位置付け、ここまでの取組みに十分な手応えをつかんでいる。取引先の経営実態や直面している課題をつぶさに把握している地方銀行だからこそ、精度の高い人材をマッチングすることが可能であり、広島銀行も経営幹部層のマッチングで高い成約率を上げている。政府が地域金融機関の人材紹介事業に対して成功報酬の支払いを検討し始めたこともあり、今後も参入が加速するとみられる。事業単体の収益性は高くないが、人材紹介を通じた課題解決の先には「資金需要」という果実が期待される。
掲載号 /週刊金融財政事情 2020年1月6日号