特集最終決着 バーゼル規制改革の全貌

CVAリスク計測の枠組みの見直し

現行規制の課題を改善し、カウンターパーティーリスク管理の実務を適切に反映

前金融庁 監督局 健全性基準室 課長補佐/現有限責任あずさ監査法人金融事業部マネージャー /前田 壮一

日本銀行 金融機構局 国際課 企画役補佐 /長谷川 達也

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2017年12月に公表されたバーゼルIII最終化パッケージでは、デリバティブ取引の相手方の信用力を評価額に反映する信用評価調整(CVA)リスクの計測について、各金融機関のデリバティブ取引の規模・特性等をふまえた二つの計測手法および一つの簡便法が用意された。現行規制におけるCVAリスク計測上の課題(市場要因によるデリバティブのエクスポージャー変動リスクの捕捉、会計と規制の乖離、限定的な適格ヘッジの範囲)を改善することで、金融機関のカウンターパーティーリスク管理の実務をより適切なかたちで所要自己資本額の計測に反映することができるようになっている。

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まえだ そういち
06年早稲田大学理工学部卒、08年同大学院経営システム工学科修士課程修了。08年リーマン・ブラザーズ証券会社入社後、08~14年有限責任あずさ監査法人金融事業部を経て、14~17年金融庁健全性基準室にてバーゼル委の交渉や国内実施を担当。18年1月から現職。公認会計士。

はせがわ たつや
06年慶應義塾大学経済学部卒、日本銀行入行。12年ハーバード大学行政学修士。決済機構局等を経て、17年6月から現職。