東洋大学 教授 /竹中 平蔵
第1期黒田日銀による金融緩和政策によって、デフレではない状況にもってこられたことは高く評価しなければいけない。ベストシナリオは短期決戦での2%物価目標の達成だったが、これを実現できなかった大きな要因は、途中で消費税の引上げがあったためだ。財政・構造改革の状況しだいだが、生鮮食品・エネルギーを除く消費者物価指数が1%になったら出口政策の議論をしてもいい。ただし、日銀は物価目標達成に向けて当面、政府の財政政策、構造改革に期待しつつ、現状規模の金融緩和を継続すべきだ。
掲載号 /週刊金融財政事情 2018年4月16日号