特集新時代を見据えた金融法制のあり方

参入障壁の緩和が新旧の事業者に及ぼす影響

技術革新によるメリットの享受と金融システム維持とのバランスが課題に

東京大学大学院法学政治学研究科 准教授 /後藤 元

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金融制度スタディ・グループが目指す機能別の新たな金融法制の目的は、技術革新のメリットを日本の金融サービスの利用者が享受することである。参入障壁の緩和を検討する際には、新規参入者にとって体制整備のコスト自体が参入障壁にもなりうる。決済分野においては低コストでサービスを提供するモノライン事業者も登場しているが、既存の金融機関が担っているインフラとしての社会的役割のバランスも検討する必要がある。

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ごとう げん
03年東京大学法学部卒、東京大学大学院法学政治学研究科助手。06年学習院大学法学部専任講師、08年同准教授、10年から現職。13年ハーバード・ロースクール客員研究員、17年シンガポール国立大学客員准教授。金融庁の少額短期保険業者の経過措置に関する有識者会議、金融制度スタディ・グループのメンバーを務める。