解説

クラウド・ファンディング黎明期と類似するICOの現状

当事者は詐欺や失敗を極力排除する仕組みとルール作りを実践せよ

QUICK イノベーション本部 副本部長 /谷 保明

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ICOと言うと詐欺やマネー・ローンダリングと隣り合わせだという論調がある(注1)。ただし、金融庁も当初のポジションを変更し、トークンは特定の例外を除いて仮想通貨に該当するとの見解になったと聞く(注2)。ICOが新たな資金調達手法として定着するかどうかは現段階ではなんとも言えない。ただ一つだけ言えるのは、ICOを巡る現状が、15年前に私がミュージック・セキュリティーズ(MS)の創業メンバーとして、今で言うクラウド・ファンディングの仕組みを世に出したころと非常に似ているということである。本稿では、自身の経験を振り返ることで、ICOについての示唆を試みたい(文中敬称略)。

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たに やすあき
安田生命保険(法人営業)、キャンター・フィッツジェラルド(金利スワップ仲介)、中央監査法人Coopers & Lybrand(投資銀行監査)、ミュージックセキュリティーズ(取締役)等を経て現職。関西学院大学卒、一橋大学大学院修了(MBA:数理ファイナンス)、CPA(米国)。