特集10年周期に潜む経済リスク

企業収益は構造的に改善するも、忍び寄る景気後退のトリガー

安易な政策転換こそリスクを増長させる

ジャパンマクロアドバイザーズ 代表/チーフエコノミスト /大久保 琢史

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円高、電力不足など、日本産業界を苦しめた「六重苦」は解消に向かっている。円安の恩恵を受ける製造業のみならず、非製造業も高収益体質化が進み、資本・資産収益性にも構造的な改善が見られる。しかし、これで財政・金融政策を引き締める方向に転換することは拙速どころか危険な考えだ。賃金も初めて前年比1%を超えて持続的な上昇を始めている。ぶれることなくアベノミクスを辛抱づよく推進し続け、構造改革の集大成を図る必要がある。

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おおくぼ たくじ
97年東京大学経済学部卒、ゴールドマン・サックス証券、メリルリンチ日本証券でシニアエコノミスト、ソシエテ・ジェネラル証券でチーフエコノミストを務める。INSEAD経営学修士、バルセロナ・ポンペオファブラ大学・金融経済学博士前期課程修了。12年9月にジャパンマクロアドバイザーズを設立、代表取締役・チーフエコノミストに就任。17年にはインド・バンガロールを拠点にIndiaMacroAdvisorsを設立。一般社団法人ジャパンリスクフォーラム理事。