解説

貿易金融におけるブロックチェーン実証実験と今後の方向性

データ仕様を早期に標準化すれば貿易決済の「ゲームチェンジャー」となりうる

HSBCグループ 香港上海銀行 輸出入部長 /矢野 孝尚

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HSBCグループは今年5月、信用状を用いた貿易取引にブロックチェーン技術を活用する実証実験を行った。その結果、従前、膨大な船積書類の授受とそのチェックに2~3週間かかっていた取引を24時間で完了することができた。IoT化とスマートコントラクト化が進むことで、貿易取引においても銀行不要の決済が可能になるともいわれている。貿易や企業間売買の決済インフラとして、ブロックチェーンを積極的に利用するビジネスモデルの構築が急務だ。そのカギは、ブロックチェーントレードを行う各グループ間でデータ仕様の標準化を進めることにある。

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やの たかひさ
83年一橋大学経済学部卒、住友銀行(現・三井住友銀行)入行。トレードファイナンス業務分野において、その立ち上げからグローバル部隊設置まで18年間にわたって主導・統括した。30年を超える国際業務経験を有する。15年1月から現職。