地銀の持続可能性が危うい。利ザヤの縮小に歯止めがかからず、運用環境も好転する兆しはない。2018年3月期には、池田泉州銀行、筑邦銀行、長野銀行、島根銀行、北日本銀行、福島銀行の6行が業務純益で赤字(島根銀行はコア業務純益、ほか5行は実質業務純益、いずれも単体)に陥った。金融庁によれば、貸出と手数料ビジネスだけを切り出した本業ベースで、過半数の地銀が赤字の状態にあるという。金融庁は地銀に対して「持続可能なビジネスモデル」の構築を求めるが、低金利や人口減少、さらにフィンテックの台頭という逆風の中、地銀として生き残るために、レゾンデートル(存在意義)をも懸けた闘いが始まっている。
掲載号 /週刊金融財政事情 2018年7月30日号