野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英
投稿日2018.06.04. /週刊金融財政事情 2018年6月4日号
ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合を巡る議論は、企業統合・合併の判断にかかわる多くの問題点を浮き彫りにした。公正取引委員会は独立性のみにとらわれず、各産業の所管官庁と十分な意見交換を行いつつ産業の特性に配慮した統合・合併の判断指針を示していくなど、他省庁との連携の仕組みが必要ではないか。同時に、金融庁には議論の前提を狭めすぎない配慮が求められる。今後予想される同種の統合・合併の事案における重要な足掛かりとするためにも、両者の連携によるスムーズな解決が望まれる。
きうち たかひで
早稲田大学政治経済学部卒。87年に野村総合研究所に入社後、ドイツ、米国での勤務を経験。07年に野村証券金融経済研究所・経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年に日本銀行の政策委員会審議委員に就任し、金融政策その他の業務を5年間担った。
掲載号 /週刊金融財政事情 2018年6月4日号