解説

財務省で、ガバナンスが利かなかった理由を考察する

「閉鎖的な組織風土」に整備されるべき「三つの防衛線」

東京大学 客員教授/弁護士 /松尾 直彦

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財務省に激震が走っている。森友学園問題を巡っての元理財局長(前国税庁長官)の辞職(3月9日)と国会証人喚問(3月27日)に続き、前事務次官の「セクハラ疑惑」が報道され、前事務次官が辞職した(4月24日)。筆者は財務省中途退職者だが、本稿では、独立的立場から財務省や政治、報道機関が抱える問題などを取り上げる。

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まつお なおひこ
86年東京大学法学部卒、大蔵省入省。金融庁総務企画局市場課金融商品取引法令準備室長などを経て、08年東京大学大学院法学政治学研究科客員教授(現職)。09年金融庁退官、西村あさひ法律事務所弁護士・ニューヨーク州弁護士(現職)。