特集新通貨「Libra(リブラ)」の行方

「通貨」として流通した場合、経済システムに甚大な影響

多岐に及ぶ課題を克服しなければ、リブラは砂上の楼閣に終わる

東洋大学 情報連携学部 教授 /益田 安良

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米国のSNS大手、フェイスブックが6月18日、デジタルマネー「Libra(リブラ)」を創設し、2020年にサービスを開始することを発表した。ジュネーブに設立する運営組織のリブラ協会には、すでにカード会社など27の企業等が参加を表明している。リブラは従来の暗号資産と異なり、「通貨」として流通する要件を備えており、その将来性は極めて高い。だが、通貨として流通した場合、既存の資金決済システムや中央銀行の金融調節、地域金融機関といった従来の経済システムに甚大な影響を与えることになる。また、リブラ協会が破綻した際のセーフティーネットや税制上の取扱いなど、整理すべき論点も極めて多岐に及んでいる。

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ますだ やすよし
京都大学経済学部卒。富士銀行、富士総合研究所を経て、02年から東洋大学。この間、16~18年3月、国立国会図書館専門調査員。18年4月から現職。博士(経済学)。