特集スルガ銀行虚飾の果て

スルガ銀行は不祥事を防ぎえたか

ガバナンス以前の統制環境の整備こそ重要

山口利昭法律事務所 代表弁護士 /山口 利昭

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金融機関のコンプライアンス経営には特有の問題がある。スルガ銀行には、ビジネスモデルの特殊性を認識したうえで現状を把握し、平時から「不祥事の芽」を摘む必要があった。しかし、同社では外形的なガバナンス体制は高度に構築されていた一方で、統制環境には不備があったと思われる。長年放置されてきた不祥事ではなく、短期間のうちに組織的に広まっていった不祥事だからこそ、統制環境さえ良好であれば一連のシェアハウス等関連融資の不正は防げたと考える。

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やまぐち としあき
企業の有事対応支援、不正調査、コンプライアンス経営支援、コーポレートガバナンス態勢支援などが主たる業務。04年以来、複数の上場企業の社外役員を歴任。著書に『不正リスク管理・有事対応―経営戦略に活かすリスクマネジメント』(有斐閣)など多数。