解説

解禁後10年が経過した自己信託の現状と活用促進のカギ

商事信託分野での活用が進むかが注目点

東京国際大学 商学部 教授 /鯖田 豊則

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新信託法施行から1年遅れで解禁された自己信託は、昨年9月末でまる10年を経過したが、活用例がなかなか見えてこない。民事信託(個人信託や家族信託)の分野では、受託者コストを削減すべく、親族間の財産管理においてそれなりに活用されている。だが、商事信託の分野では、自己信託会社の登録がわずか2社にとどまり、せいぜい資産の流動化ビジネスで活用されているにすぎない。今後の活用のカギは、事業信託で自己信託を活用したスキームをいかに普及・定着させていくかになろう。

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さばた とよのり
79年滋賀大学経済学部卒、住友信託銀行入社。主にファンドトラストや年金信託などのファンドマネージ業務、会計ビッグバン対応・株式公開支援・事業承継対策支援などの企業コンサルティング業務、本社経理部での連結決算業務などを経験。大和証券SMBC勤務を経て現職。公認会計士、中小企業診断士、日本証券アナリスト協会検定会員。青山学院大学大学院国際経営学修士、筑波大学大学院企業法学修士。