東京国際大学 商学部 教授 /鯖田 豊則
東京国際大学 商学部 教授 /鯖田 豊則
投稿日2019.04.01. /週刊金融財政事情 2019年4月1日号
新信託法施行から1年遅れで解禁された自己信託は、昨年9月末でまる10年を経過したが、活用例がなかなか見えてこない。民事信託(個人信託や家族信託)の分野では、受託者コストを削減すべく、親族間の財産管理においてそれなりに活用されている。だが、商事信託の分野では、自己信託会社の登録がわずか2社にとどまり、せいぜい資産の流動化ビジネスで活用されているにすぎない。今後の活用のカギは、事業信託で自己信託を活用したスキームをいかに普及・定着させていくかになろう。
さばた とよのり
79年滋賀大学経済学部卒、住友信託銀行入社。主にファンドトラストや年金信託などのファンドマネージ業務、会計ビッグバン対応・株式公開支援・事業承継対策支援などの企業コンサルティング業務、本社経理部での連結決算業務などを経験。大和証券SMBC勤務を経て現職。公認会計士、中小企業診断士、日本証券アナリスト協会検定会員。青山学院大学大学院国際経営学修士、筑波大学大学院企業法学修士。
掲載号 /週刊金融財政事情 2019年4月1日号