多様な決済手段の登場といったデジタライゼーションの進展などにより、金融機関のIT戦略は経営を左右する重要課題となっている。そうしたなか、金融庁は6月21日に、検査マニュアル廃止に向けた新しいモニタリングの考え方として「金融機関のITガバナンスに関する対話のための論点・プラクティスの整理」（以下、ITガバナンスの論点）を公表した。本稿では、金融庁が何を課題ととらえて金融機関と対話するのか、その狙いを示したい。