解説

再発防止策の不足が目に付く金融庁と東証のインサイダー事件

自身の定める指針に基づき金融事業者や上場会社の模範となる対応を

松尾国際法律事務所 弁護士 /松尾 直彦

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証券取引等監視委員会は昨年12月、金融庁と東京証券取引所の職員(いずれも当時)に対して告発を行った。日本の資本市場の信頼性を確保する守護神であるべきこの二つの組織でインサイダー取引事件が発生したことは、衝撃的な出来事だ。両者には、金融事業者や上場会社の模範となるべきガバナンス・法令等順守態勢の厳正な構築・実行が求められる。にもかかわらず、その再発防止策も十分なものとは言えない。本稿では、その具体的な論点を解説したい。

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まつお なおひこ
86年東京大学法学部卒、大蔵省入省。89年ハーバード・ロー・スクール修了。06年金融庁金融商品取引法令準備室長などを経て09年弁護士登録。西村あさひ法律事務所を経て19年から現職。専門は金融規制法の解釈や問題対応。