解説(金融サービス不正利用排除 ~近時のアップデート~ 第8回)

「トクリュウ」による組織的マネロンと法人口座悪用への対策

官民での情報共有で巧妙化する不正な口座開設を防げ

鈴木総合法律事務所 弁護士 /鈴木 仁史

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今年5月に明らかになった「リバトングループ」によるマネー・ローンダリング事件では、不正に開設・譲渡された法人口座等が詐欺被害者からの振り込みや「匿名・流動型犯罪グループ」(以下、トクリュウ)内での金銭の授受に悪用された。その組織的かつ巧妙な手口や、金員の多額さは衝撃だ。2024年7月26日に警察庁が公表した令和6年版警察白書では、新たな形態の犯罪組織であるトクリュウが、わが国の市民社会の重大な脅威であるとしている。金融機関としては、預金口座等が犯罪インフラとして悪用されないように対応する必要がある。本稿では法人口座を悪用したマネロン等の手口を解説し、口座開設時の対応を中心に検討する。

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すずき ひとし
銀行・信用金庫・生損保等の金融法務、反社対応・AML/CFT、コーポレートガバナンスなどを取り扱う。著書に『金融サービス不正利用排除事典』(共著)、『実務必携信用金庫法』、『マネー・ローンダリング規制の新展開』(共著)、『地域金融機関の保険業務』(共著、すべて金融財政事情研究会)ほか。