解説

急成長の裏にリスク増大の影、プライベートクレジット市場の今

個人投資家の参加も増え、各国当局の監視強化が急務に

国際通貨基金 金融資本市場局 金融規制監督課 副課長 /杉本 展康

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近年、企業向けのプライベートクレジット市場は急成長を遂げてきた。企業の借り手に長期的な資金を提供することで、高い経済的利益を生み出してきたものの、市場の実態が不透明なために関連リスクも増している。その背景には、金利上昇に伴い融資先企業の信用度は悪化しつつも、悪化した信用力の価値評価は適時に反映されにくいこと、多層に行われるレバレッジはその全体の水準が不明確であることなどがある。今後も成長が続くとすれば、金融システムの安定のために、各国当局の連携と監視強化が欠かせない。

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すぎもと のぶやす
東京大学経済学部卒、00年金融監督庁(現金融庁)入庁。12年10月IMFに出向・転籍。銀行、保険、証券、フィンテックと幅広い業務を担当。カーネギーメロン大学修士(MBA)。