特集長期化する「円安」の本質

異なる為替戦略を取る大手と中堅・中小企業の間で業績に明暗

企業規模によって円安効果の波及に顕著な相違も

中央大学 商学部 教授 /鯉渕 賢

関東学院大学 経済学部 専任講師 /後藤 瑞貴

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過去2年以上にわたって継続している円安傾向は輸出企業の業績改善を予期させたが、その改善には企業規模に応じて大きな差異が見られる。その背景には、大手の輸出企業と中堅・中小の輸出企業における「為替戦略の差異」がある。企業規模が大きくなるほど輸出総額に占める外国通貨建て比率が高く、企業規模が小さくなるほど円建て比率が上昇するという傾向だ。為替変動に適応してきた日本企業の為替戦略から中堅・中小企業への円安効果の波及について考察する。

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こいぶち さとし
96年早稲田大学政治経済学部卒。02年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得満期退学。東大博士(経済学)。著書に『Managing Currency Risk』(共著、Edward Elgar)など。

ごとう みずき
一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。一橋大学大学院経営管理研究科博士後期課程単位取得満期退学。三菱経済研究所専任研究員を経て、24年4月から現職。