解説

危機感を持つべき年金財政の現状と2025年改正に向けた論点

所得代替率の急落を確実に回避する「名目下限措置の廃止」を

日本総合研究所 調査部 理事 /西沢 和彦

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2024年夏は5年に一度の年金財政検証の公表、25年はそれを踏まえた制度改正がそれぞれ予定されている。財政検証とは、年金財政のいわば定期健診である。将来の人口動態や賃金上昇率などの経済変数に一定の仮定が置かれ、今後100年間の年金財政の姿が描かれる。年金問題は、財政と制度体系とに大きく分けられる。本稿では、このうち年金財政の問題に焦点を絞り、その現状および検討されている改正案と、その論点を整理したい。

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にしざわ かずひこ
89年一橋大学社会学部卒。専門は社会保障。著書に『医療保険制度の再構築』(慶應義塾大学出版会)など。公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター理事を兼務。