解説

実現への模索が続くデジタル人民元が描く民間との共存のかたち

「攻め」の人民元国際化より「守り」のドル化防止が開発の契機に

大阪経済大学 経済学部 教授 /福本 智之

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世界各国で中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入の検討が進むなか、主要国でいち早く検討に着手したのが中国人民銀行であった。現在では、デジタル人民元の一般市民参加型の試行を拡大している。デジタル人民元は、アリペイやウィーチャットペイといった既存の決済手段と共存しながら、国内のドル化防止を図る狙いがあると考えられるが、普及にはまだハードルが高そうである。本稿では、その現状と今後の展望について筆者の見解を述べる。

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ふくもと ともゆき
89年日本銀行入行。北京事務所長、国際局長などを歴任。21年から現職。東京財団政策研究所研究員を兼任。