解説

キャッシュレス化とタンス預金の解消を狙う新紙幣発行

経済特需は低下も、「偽造防止」だけではない紙幣刷新の効果

第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト /永濱 利廣

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ATMや自動販売機の台数減少で、新紙幣の発行に伴い発生する経済特需は以前に比べると少なくなっている。そうしたなか、新紙幣発行の一般的な目的や動機とされるのが偽造防止である。しかし、そのほかに今回の紙幣刷新には「キャッシュレス化の促進」や「タンス預金のあぶり出し」などの隠れた狙いも推察される。本稿では、約20年ぶりとなる紙幣デザインの刷新と今夏の発行開始に向けて、そのさまざまな効果を分析する。

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ながはま としひろ
95年早稲田大学理工学部卒、05年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。95年第一生命保険入社。日本経済研究センター出向を経て、第一生命経済研究所経済調査部に復帰。研究員、主任エコノミストを経て、08年主席エコノミスト。16年から現職。