解説シリーズ 問われる金融・財政政策 第12回・完

財源なき政策実行が慢性化し、日本の財政は“砂上の楼閣”

神奈川大学 特別招聘教授 /矢野 康治

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政府は今年1月、一般会計の総額が112兆5,717億円となる2024年度の予算案を決定し、国会に提出した。右肩上がりの日本の歳出は、その財源(歳入)の約3割を国債に依存する構図が定着しているが、財政健全化を巡る議論は聞こえてこない。財務省主税局長や財務事務次官を歴任した神奈川大学の矢野康治特別招聘教授は、“白昼夢”としかいいようのない空疎な前提の下で、ルールなきまま繰り返される日本の弛緩した財政運営の在り方に疑義を唱える。(編集部)

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やの こうじ
85年一橋大学経済学部卒、大蔵省入省。15年財務省大臣官房審議官(主税局担当)、17年大臣官房長、18年財務事務次官事務代理、19年財務省主税局長、20年財務省主計局長、21年財務事務次官を経て、23年から現職。