解説

いよいよ現実味を帯び始めた政府の「デフレ脱却宣言」

月例経済報告の「デフレ」の記述削除よりも高難度

大和総研 主任研究員 /長内 智

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日本がデフレ状況でなくなってから10年余りを経て、政府の「デフレ脱却宣言」が現実味を帯び始めている。政府は、2023年11月2日に閣議決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の効果が明確に確認されることになれば、デフレ脱却を宣言する可能性がある。本稿では、内閣府で消費者物価の基調判断に関わった筆者の経験を踏まえつつ、これまでの政府のデフレ判断の経緯やデフレ脱却を巡る論点について考察する。

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おさない さとし
06年早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、大和総研入社。12~14年内閣府で経済財政白書や月例経済報告を担当。総務省統計研究研修所講師(「消費・物価分析」)も務める。