特集CBDCが描く決済の未来

円滑な導入準備のためにスタートしたCBDC実証実験

多様な民間事業者の協力を得ながら、多角的な実験や議論を展開

日本銀行 決済機構局 参事役 /清水 茂

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日本銀行における中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験は、2023年3月に概念実証フェーズが完了し、同年4月からパイロット実験が進んでいる。パイロット実験では、エンドツーエンドでの処理フローの確認などのため、日本銀行が構築する実験用システムで、性能試験などを行っていくほか、日本銀行が事務局を担うCBDCフォーラムで、リテール決済に関わる民間事業者と幅広いテーマの議論・検討を行っている。わが国でCBDCを導入するかどうかは、国民的議論の中で決まっていくべきものだが、日本銀行としては、その前提となるように、CBDCに関する検討を引き続きしっかりと進めていきたい。

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しみず しげる
東京大学法学部卒。ハーバード大学・公共経営学修士(MPA)。96年日本銀行入行後、金融機構局金融第2課長、ワシントン事務所長、調査統計局物価統計課長、福島支店長などを経て、23年8月から現職。